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1996年に青山ブックセンターで後藤繁雄がスタートさせた「編集学校」、スーパースクール。

数年前より浜松のみの開講を続けておりましたが、この度東京で再びスーパスクールを開講することが決定いたしました!


スーパースクールは「編集術」をコアとし、それを拡張させる領域横断型のクリエイティブスクールです。今まで、さまざまな業界で活躍するOBを輩出してきました。 また、『NEW TEXT』(リトルモア1997)と『僕たちは編集しながら生きている』(マーブルトロン2004/2010)の2冊の本にそのノウハウ、活動がまとめられています。


今回の新型コロナ(Covid-19)によるクライシスは、オーバーな話ではなく、我々人間にとって決定的なターニングポイントを迫っています。もはやコロナ以前同様の「ノーマル」に戻ることはできません。

このタイミングで「スーパースクール drifted」を開催することにいたしました。

プログラムは、「コンテンポラリーアートのシンキング」を中心とし、「アートと戦略的編集」を教えます。


場所は青山・表参道にこの6月から期間限定、ゲリラ的に始動したアートプロジェクトスペース「SKWAT/twelvebooks」(https://www.skwat.site/MA-5-3-2/)。 10名程度の、少人数制。 2020年8月30日から、月1回のペースで全8回開講します。


優れたコンテンポラリー・アーティストたちは、とても先見的であり、かつ世界がどんなカタストロフな状況であっても、さらにそれを乗り越える「価値」を生み出す「アートシンキング」を行います。

後藤繁雄が美術大学/大学院で、行ってきたプログラムは、その「アートシンキング」を抽出するものですが、今回はそれをさらにアップデートし、「現代写真アート」、スーパースクールでの「戦略的編集術」なども組み合わせます。 コロナ後の世界で、どうすればクリエイティブでありえるかを考えていくための講座を行います。

東京オリンピックも延期され、コロナ禍が続くなかでの不安定で流動的な時期だからこそ、その先を見通す「アートシンキング」に特化したスーパースクールです。

ぜひ、ご参加下さい。


【プログラム】

・8月 はじめに。 「アートシンキング」と「進化する編集」について(デュシャンからオラファーへ)

・9月 「ヴァーチャル」と「リアル」の「価値」のバトル/ あるいはアップデート(コンセプチュアルアートの転生) ・10月 「現代写真アートは何処へむかっているのか?①」 (ポストフォトグラフィをめぐって) ・11月 「現代写真アートはどこにむかっているのか?②」 (NEOTOKYOZINEをめぐって) ・12月 「台北ビエンナーレ・レポート (ブルーノ・ラトゥールのキュレーションをめぐって) ・1月 「再度、アートシンキングを」 (ストーリーテリング/あるいはアナザーワールドへ)

・2月 「キュレーション」と「戦略的編集」 (グローバリゼーションか島か) ・3月   「エンドレスノート」 (来るべきアート/来るべき編集)

【受講料】

全8回 40000円


【お申し込み/お問い合わせ】 お名前/電話番号/メールアドレス/年齢/このスクールをどこで知ったかをご記入の上、メールにてお申し込みください。

定員になり次第、申し込みを終了させていただきます。講義開始日につきましては、担当者からご連絡いたします。

mail: yamashita@gptokyo.jp(担当: 山下)

【後藤繁雄プロフィール】

編集者、クリエイティブ ディレクター、アートプロデューサー、京都造形芸術大学教授。「独特編集」をモットーに、 写真集、アートブックを数多く制作。坂本龍一、 荒木経惟、篠山紀信、蜷川実花、名和晃平などの本を手がける。『エスクァイア日本版』『high fashion』『花椿』などの媒体でのアーティスト インタビューは1,000人以上に及ぶ。自身が主宰 するG/P galleryは、横田大輔をはじめとする優れた若手写真家たちを世界に輩出。国際的評価も高い。また、プロ デュースに携わった大型美術館展「篠山紀信展 写真力」は、2012年以来の入場者数が100万人を突破。また2019年には、浜松カギヤビルに音楽・写真・アートを扱う新拠点movementをオープンさせている。

2020年7月12日(日曜日)に行われた、TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2020の公開審査会により、今年度のグランプリが決定いたしました。


●グランプリ

羽地優太郎『イメージの棺桶』

2001年、沖縄県生まれ。東京綜合写真専門学校在学中。


テクノロジーの急速な発展が我々が住んでいるこの次元または、その物質性、非物質性が混在する現代は新たな感触が身を潜め、そして、私はそこに写真における芸術の探究価値があると考える。現代その写真における物質性、つまり紙媒体についてこれほどまでに問われている時代は、過去のダダ的存在意義とはまた違い、新たなフェーズに突入していると感じている。今日、そのほとんどの媒介者として支配している電子の板(ディスプレイ)といったその新たな次元の出現は、よりそれを際立たせている。しかし、それでも尚降臨し続ける、紙媒体はまさにカミ的エネルギーを感じさせざるをえない。私はそのエネルギーをアナロジー的、またはノスタルジー的に言及するのではなく、そのイメージを物理的世界へと閉じ込める、イメージのマテリアル性についての言及、つまり、そのモノ(オブジェクト)とイメージ間を取り結ぶ関係について考える為、そのほとんどのイメージが宿るマテリアルを、「イメージの棺桶」と呼び、そのイメージの物質的最終終着点への可能性を紙(今回は主に光沢紙を使用)という媒体を使い探究するべく、インクジェットプリンターと、光沢紙を軸として、本来の、そのイメージが棺桶化に至るまでの工程に、肉体的行為(テープを貼ったり剥がしたりする行為)と、装置的行為(スキャンやプリンターを使った出力行為)を挟むそのコミュニケーションをより意識的にアプローチすることで、新たなイメージの棺桶による形成を目論んだ。






●準グランプリ(2名)

松井祐生Communities, influence me.』

1985年生まれ。駒沢大学院法学部を卒業度、独学で写真を学ぶ。2016年、写真新世紀優秀賞、2020年IMANEXTでグランプリを受賞。


たぶん私はたくさんのコミュニティに属している。きっとその中には私が知りもしない、或いは私とは無縁とさえ思っているコミュニティがあるのかもしれない。

私は知らず知らずの内に無数のコミュニティに触れあっていて、その影響を受けている。

高い場所から眼下に広がる都市の光景を眺めていると、私には夥しい数のコミュニティが常に変形しながらうごめいているように見えてしまう時がある。

夜、風呂場の中でいつかの事を思い出す。例えば友人と森に行った日の事、

私は「脳」というネットワークの中で友人とのコミュニティに、或いはその森のコミュニティに無意識のうちに入りこんでいる。その時、たぶん私も変形している。毎秒、私は変形している。

私だけではない。すべての人間が同じだろう。

すべて、この70億もの人間が数多のコミュニティに属し、変形しつつある。

けれども私は、たった1 人の私自身についてさえも知り得ていない。

登あらんや、他者についてをや。

だから私は、まずは自分自身について撮影してみることにした。








伊藤 颯『Iat e hay/干し草を食べた』

1997年生まれ。東京工芸大学写真学科卒業。


この作品は、john.F.Byrneの著書『Silent Years』を伏線として、暗号で書かれた自叙伝を制作することを試みた。


『Silent Years』は、煙草の箱に入るほどの小さな機械で転字暗号を用いて記述されている。

転字暗号とは文字の順序を変えるだけの単純な暗号だが、解読キーがないと他者による解読が最も難しいと言われている。

作品を見て何かを理解しようとすることや、緩やかな連関を持つイメージの集まりを紐解くことは暗号を読み解くことに似ていると考える。

本作は、日常における様々な箱の中で起きる事象やイメージを写真という記号を使って暗号化し記述した作品だ。


しかし、残念なことに解読するキーを失くしてしまった。


これは蓋を開ければ、たくさんの意味を所持する内容かもしれないし、もしかしたらなんの意味もない内容であるかもしれない。






●ホンマタカシ賞

小浜はるみ『The garden of Photographs』


●千葉雅也賞

石田浩亮『きみは振動するエネルギー』


●大山光平賞、川島崇志賞

村田 啓『Interstice』



●多和田有希賞

三谷 蒔『The Marginal Girl』


●後藤繁雄賞

あぽた へろGold maskーエドガー・A ・ポーの他界の一瞥より一』


受賞者のみなさま、おめでとうございます。

グランプリ、準グランプリの3人の作品はNEOTOKYOZINEの一冊となって11月のTOKYO ART BOOK FAIRでリリースされます。ご期待ください。



G/P+abpのオンゴーイングプロジェクト、NEOTOKYOZINEの参加作家のひとり、児嶋啓多の展覧会が渋谷パルコ4F、Meets by NADiffで開催されます。


同展で展示されるのはNEOTOKYOZINEで発刊される『Augmented/Words in the City』に収められたAR作品。

AR技術によってヴァーチャルに渋谷の上空に出現する言葉のモニュメント、これらはアプリをダウンロードしていただくことで実際に渋谷でご覧いただくことが可能です。


写真集、『Augmented/Words in the City』も会場にて一足先にリリースされます。


児嶋啓多の実質的なデビュー作『Augmented/Words in the City』は、基本的には、ARの作

品だ。タイポグラフィ、彫刻、写真作品ともいえる。

彼は広告代理店で「広告」をつくっていたのだが、自分のタイポグラフィを拡張して、彫刻として3D化することに「取り憑かれた」。その衝動がどこから来るのかは、わからない。しかし児嶋が直感した「イメージオブジェクツ」としてのwordsは、デザインを超えて、まるで生命体や言霊のように、あたかも「実体」のように成長した。

彼の3Dのイメージオブジェクツを見たければ、アプリをダウンロードして、携帯を片手に、東京の渋谷の街を徘徊することだ。指示された場所であなたが風景を撮影しようとすると、その空中に、児嶋が「拾った」wordsが浮かびあがる。


「who are you」「lose and born」「be nonsense」etc…


それらのwordsは、児嶋がこの数カ月のあいだに渋谷を巡りながら「拾った」フラグメンツだ。彼はその「無意味なものたち」に形を与え、再び街に還すのだ。

さあ、無人の東京・渋谷に出よう。 everywhereそれともnowhere ?

そして、あなたもまた、拡張された東京を撮影するのだ、そして拡散させるのだ。


後藤繁雄「everywhere/nowhere: 2020年の東京で、そして世界で起こっている事態と

シンクロして児嶋啓多が提示している写真の拡張について考える」



児嶋啓多プロフィール

グラフィックデザイナー。1985年 兵庫生まれ、東京を拠点に活動。

2010年 金沢美術工芸大学 視覚デザイン専攻卒業


「Augmented/Words in the City」

@Meets by NADiff 

2020.07.28[火]—2020.08.10[月]







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